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永瀬 文久; 更田 豊志
Journal of Nuclear Science and Technology, 42(1), p.58 - 65, 2005/01
被引用回数:47 パーセンタイル:93.51(Nuclear Science & Technology)水素添加ジルカロイ-4被覆管に対し室温及び620Kにおいてバースト試験を行った。NSRRでのパルス照射時に高燃焼度燃料で起こる急激なPCMIを模擬し、加圧速度は最高3.4MPa/msまで高めた。被覆管中の水素濃度範囲は1501050ppmであり、高燃焼度PWR燃料被覆管と同様に被覆管外周部に水素化物を集積させ、「水素化物リム」を形成させた。室温試験で、水素吸収被覆管は軸方向に長い亀裂を呈して破損した。水素化物リムでは、脆性的な破壊が見られ、破損形態はNSRR実験で観察されたものと同じであった。また、水素化物リムにより、破裂圧力や周方向残留ひずみは明確に低下した。水素化物リムの厚さが被覆管肉厚の18%を超える場合、620Kにおいても周方向ひずみは非常に小さかった。本研究の結果は、RIA条件下における高燃焼度燃料棒の破損において水素化物集積層が重要な役割を果たすことを示している。
大友 隆; 永瀬 文久; 上塚 寛
JAERI-Tech 99-071, p.25 - 0, 1999/10
軽水炉高燃焼度燃料棒のRIA破損挙動に関する基礎的な知見を得るために、燃料被覆管内圧を急速に加圧できる試験装置を考案し製作した。UOパレット中のFPガスの膨張がPCMIに強く関与することを考慮し、本装置では油圧を用いて被覆管に均一な負荷を与えることとした。また、NSRR実験でのパルス幅に相当する短い時間で被覆管を加圧し破裂させるために、最大170MPaまで予加圧した高圧系と被覆管試料とを電磁弁を用いて瞬時に接続する加圧方法を考案した。製作した装置は、室温で最大3.4MPa/msの昇圧速度を達成し、未照射PWR用ジルカロイ被覆管が70msで破裂した。水素添加被覆管試料では、NSRR実験で破損した高燃焼度燃料棒と類似の破損形態を呈したことから、本装置によりパルス照射時にPCMI破損を十分に模擬できる。
永瀬 文久; 大友 隆; 上塚 寛
JAERI-Research 98-064, 25 Pages, 1998/11
高燃焼度軽水炉燃料棒のRIA条件下における破損挙動を調べるために、NSRRパルス照射時に生じるPCMIを模擬し被覆管を急速加圧できる装置を製作した。最初の実験として、室温で水素吸収Zry-4管に内圧を最大1.9MPa/msの高速で負荷するバースト試験を行った。その結果、水素吸収被覆管には、NSRR実験で見られた破損と酷似した軸方向に長い破損開口が生じた。さらに、破損挙動に及ぼす水素の影響が明瞭に観察された。円周方向の残留ひずみ量は、水素濃度が高いほど明確に低下した。また、水素化物を被覆外表面に偏析させた試料は、極めて小さなひずみ量で破裂し、破裂圧力も相対的に低かった。一方、加圧速度の及ぼす影響は比較的小さかった。NSRR実験等で見られたパルス照射時の高燃焼度燃料棒の破損が、被覆管の水素吸収と外面への水素化物偏析と深く関連していることが示された。
丹沢 貞光; 藤城 俊夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(1), p.23 - 32, 1986/01
被引用回数:1 パーセンタイル:19.33(Nuclear Science & Technology)本報告書は、反応度事故条件下における浸水燃料の破裂による周辺燃料及びチャンネル・ボックスに対する影響を究明するために行ったインパイル実験及び解析の結果について述べたものである。流路管内で健全な燃料に囲まれた浸水燃料は、反応度事故時の出力の急上昇を模擬するために原子炉安全性研究炉(NSRR)で照射された。その結果、浸水燃料の破裂によって生ずる圧力パルスは、周辺燃料に対し殆ど機械的な影響を与えないが、流路管を膨らます原因となることが明らかになった。さらに、破裂領域での冷却水の排除は、周辺燃料の冷却を悪化し、破損しきい値を低減させた。また、STEALTH-Jコードを用いた2次元の解析により、落下した制御棒近傍の浸水燃料を含むBWRのチャンネル・ボックスが、圧力パルスにより変形し、その場所の制御棒の通路を塞ぐ可能性があることが明らかになった。
石川 迪夫; 若林 利男*; 塩沢 周策; 望月 弘保*; 大西 信秋
原子力工業, 32(12), p.17 - 31, 1986/00
本論文は、これまでにソ連から報告された事故概要をもとに、種々の解析コードを用いて行った事故シナリオに関する検討の結果についてまとめたものである。本検討では、反応度事故により炉心燃料がどのような状況になったか、黒鉛火災がどのような状況のもとで発生したか等について解析をもとに考察を加えた。
斎藤 伸三; 石島 清見; 塩沢 周策; 岩田 耕司
Journal of Nuclear Science and Technology, 19(4), p.289 - 306, 1982/00
被引用回数:10 パーセンタイル:71.34(Nuclear Science & Technology)反応度事故条件下において燃料棒の初期加圧が燃料挙動に及ぼす影響をNSRR炉を用いて調べた。実験では常温常圧の水を封入したカプセルにPWR型の試験燃料を収め、パルス運転により急速加熱した。その結果、初期内圧0.8MPa以上の燃料棒は内圧による被覆管の破裂によって破損し、そのしきい値は初期内圧の増加と共に低下した。その際、被覆管の破裂は主にその温度上昇によって支配され、過渡時の燃料棒内圧の上昇は比較的小さく支配的因子とはならないことが知れた。また、本実験結果より評価した被覆管の歪速度は1.0sec以上となり、LOCA時の値に比してかなり大きいが、破裂圧力-破裂温度、破裂時の歪量-温度の関係はLOCA条件を模擬した炉内及び炉外実験の結果と良く一致した。
石川 迪夫; 塩沢 周策
Journal of Nuclear Materials, 95(1-2), p.1 - 30, 1980/00
被引用回数:33 パーセンタイル:92.51(Materials Science, Multidisciplinary)本稿は、NSRRにおいて行われている反応度事故時における燃料挙動について、現在までに得られている結果をまとめたものである。 実験条件を変えて行った様々な燃料破損実験について、その破損挙動を大別すると、 1被覆管の溶融に起因する破損 2UO燃料の溶融に起因する破損 3高温における被覆管の内圧バースト破損 4低温における被覆管のバースト破損 の4種類を考えることが出来る。これら4種類の異なる破損形態について、その破損機構を材料的見知から考察した。
反応度安全研究室; NSRR管理室
JAERI-M 8259, 91 Pages, 1979/05
本報告書は、1978年7月から同年12月までにNSRRにおいて実施した燃料破損実験の結果およびその考察等についてまとめたものである。今期実施した実験は、標準燃料試験(燃料伸び測定試験、燃料棒支持構造効果試験等)、燃料パラメータ試験(加圧燃料試験、特殊熱処理材被覆燃料試験等)、冷却条件パラメータ試験(冷却水温パラメータ試験、強制対流試験、バンドル燃料試験等)および欠陥燃料試験(浸水燃料試験)の総計48回である。